アダルトビデオなどで派手にあえいでいる女性を見て、「こうすればいいんだ」と信じている男性の多いこと……。
はっきり言って、AVは男性の欲望を満たすためのファンタジーです。
女性の気持ちよさを追求したものでは決してありません。
例えば、膣口から入って4~5センチほどのおなか側に神経が多く集まる直径1センチほどの狭いスポットがあります。これがGスポットです。そこを刺激するのは中指1本あれば十分。
AVのように複数の指での速いピストンは不要ですし、女性に苦痛を与えます。また、多くの男性が注目する「潮を吹く」という現象は、ただの失禁です。
オーガズムとは関係ありません。
見栄えのために、派手なパフォーマンスが必要なのでしょうが、AVはマスターベーションや興奮材料にするだけにして、実践で真似するのはやめましょう。
マニュアル本には「気持ちいいスポット」がいくつも紹介されていますが、多くは意味のない場所です。
例えば、アダム徳永さんの言う「AGスポット」は、「恥骨の裏」ということですが、そんな所に神経はありませんから、強くこすりつけられても痛いだけでしょう。しかも「手の角度は何度で何センチ間隔で動かせ」なんて疑問です。
性器は人それぞれ違うのですから、みんなが同じように感じるとは思えません。
あと気になるのは、最近よく紹介されている「新体位」。「背面M脚騎乗位」や足を絡めるような正常位など、アクロバティックな体位ばかりですが、女性が快楽に集中できないような、つらく無理のある体位をこなすのは、男性のエゴでしかありません。
男性誌によくある「腰を入れて『の』の字に回す」なんてのも論外です。
ペニスの根元を回転させても先端はほとんど動かないため、意味がありません。
一方、女性の多くは愛撫に応えようと、一生懸命感じているフリをしてしまいがち。それが好きな相手だったらなおさらです。
ですからあえぎ声は信用できません。「俺の彼女は違う!」という幻想も捨ててください。
ではどうすればいいかというと、女性の反応をよく見ることです。女性器を刺激してる時に、相手が足を開いて腰を押し付けてくるようだったら「もっとして」というサイン。いくらあえいでいても腰が逃げていくなら、「そこではない」ということです。
直接尋ねられる関係であれば、ぜひ聞き方を工夫してください。
「気持ちいい?」と聞かれて、「イマイチ」とは答えにくいものです。「こことここのどっちが気持ちいい?」とか「この強さとこの強さ、どっちが好き?」と、答えやすいように聞いてあげれば、より気持ちいい方向に導けます。
女性の中には、「クリトリスではイケるけど、中ではイケない」という人もいます。
有名なAV男優の加藤鷹さんの著書には「クリトリスでイクのはエクスタシーでオーガズムではない」と書いてありますが、クリトリスも立派なオーガズムです。あのフロイトも「クリトリスのオーガズムは未熟である。
膣のオーガズムは熟している」と書いていますが、これも今では否定されています。
セックスレスも、気持ちいいセックスも、その理由や方法は千差万別です。解答はマニュアル本には載っていません。お互いのコミュニケーションなくして、本当にいいセックスをする方法はないのです。
女医が教える「本当にいいSEX」 〈週刊朝日〉-朝日新聞出版|dot.(ドット)
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